「病気やケガで急に仕事を休むことになったら、収入はどうなるの?」

入院や長期休業になったとき、公的保険でどこまでカバーできるのか知りたいです。民間保険に全部頼るしかないのでしょうか。
実は、公的医療保険には「傷病手当金」「高額療養費制度」という2つの強力な制度があります。この2つを知っているだけで、民間保険の必要額が大きく変わります。
この記事では、FP資格を持ち金融機関に20年以上勤務してきた筆者が、2026年の最新情報をもとにわかりやすく解説します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、加入している健康保険組合や専門家にご確認ください。
【この記事でわかること】
・傷病手当金とは?いくらもらえる?
・高額療養費制度とは?自己負担はいくら?
・2026年8月から何が変わる?
・民間保険との上手な組み合わせ方
結論:公的医療保険は思っているより手厚い!民間保険は”不足分”を補う考え方で
公的医療保険には、病気やケガで働けなくなったときに家計を守る2つの制度があります。
①傷病手当金…休業中に給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給される
②高額療養費制度…ひと月の医療費が一定額を超えた分が払い戻される
この2つを把握しておくだけで、「民間保険で全部カバーしなければ」という不安がかなり和らぎます。公的保険でカバーできない部分だけを民間保険で補うという考え方が、家計に無駄のない保険選びの基本です。
傷病手当金とは?
傷病手当金は、病気やケガで仕事を休み、給与が受け取れない期間に支給される公的制度です。健康保険に加入している会社員であれば、正社員・契約社員・パート・アルバイトを問わず対象になります。
なお、国民健康保険加入の自営業者やフリーランスの方は原則対象外です。
どんな制度?
連続して3日間仕事を休んだ後、4日目以降の休んだ日に対して支給されます。うつ病などの精神疾患も対象です。
【例】10日間連続で休んだ場合 → 4日目〜10日目の7日間分が支給対象
もらえる期間は?
支給開始日から通算して最長1年6ヶ月です。途中で仕事に復帰した期間はカウントされないため、再発した場合でも残りの期間を使えます。
もらえる金額は?
1日あたりの支給額=直近12ヶ月の標準報酬月額の平均÷30日×2/3
ざっくり言うと、月給の約3分の2が支給されます。
【例】月給30万円の場合 → 1日あたり約6,667円、ひと月あたり約20万円
もらえないケースは?
・国民健康保険加入者 ・給与が支払われている期間
・すでに退職している場合(条件を満たせば継続受給可能)
・他の給付金を受けている場合 など
高額療養費制度とは?
高額療養費制度は、ひと月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超えた分が後から払い戻される制度です。
どんな制度?
たとえば100万円の医療費がかかった場合、通常は3割負担で30万円の支払いが必要です。しかし高額療養費制度があれば、実際の自己負担は所得に応じた上限額までで済みます。
【例】年収約370万〜770万円の方の場合 → 自己負担の上限は約8万100円(+医療費の1%)
自己負担限度額はいくら?
年齢や所得によって異なります。所得が低いほど上限額も低く設定されており、住民税非課税世帯は特に手厚い保護があります。
⚠️2026年8月から自己負担限度額が引き上げられます!
今回の改正は約10年ぶりの見直しです。2026年8月から段階的に自己負担限度額が引き上げられます。
・年収約370万〜770万円の方:現行8万100円→8万5,800円に引き上げ ・2027年8月にはさらに所得区分が細分化される予定
ただし、長期療養者向けに年間上限額が新設されるなど、負担が過度に増えないための配慮措置もあります。
払い戻しまでの期間は?
診療月からおよそ3ヶ月以上かかります。すぐに現金が必要な場合は、事前に限度額適用認定証を申請しておくと、窓口での支払いが最初から上限額までに抑えられて便利です。
なお、2024年12月以降はマイナ保険証でも限度額情報の確認ができるようになっています。
民間保険との上手な組み合わせ方
公的医療保険の制度を知ったうえで、民間保険をどう活用するかを考えましょう。
公的保険でカバーできること
・病気やケガによる長期休業中の収入保障(傷病手当金) ・高額な医療費の自己負担上限(高額療養費制度)
公的保険でカバーできないこと
・差額ベッド代(個室や少人数部屋の費用)
・先進医療の費用(公的保険適用外の治療)
・自営業・フリーランスの休業中の収入(傷病手当金の対象外)
・高額療養費の払い戻しまでの3ヶ月間の立替負担
民間保険を選ぶときのポイント
公的保険でカバーできない部分を把握したうえで、「足りない分だけ」民間保険で補うのが家計に無駄のない考え方です。
必要以上に手厚い民間保険に加入すると、毎月の保険料が家計を圧迫します。まず公的保険の内容を確認してから、民間保険の見直しをするのがおすすめです。
まとめ:公的医療保険を知ることが、賢い保険選びの第一歩
今回は、公的医療保険の2つの制度についてお伝えしました。
・傷病手当金→休業中に月給の約3分の2が最長1年6ヶ月支給される ・高額療養費制度→ひと月の医療費自己負担に上限がある(2026年8月から一部引き上げ)
「民間保険に全部頼らなければ」と思っていた方も、公的保険の内容を知ることで、保険の見直しや家計の改善につながることがあります。
まずは自分が加入している健康保険の内容を確認することから始めてみてください。知っているだけで、いざというときの安心感が大きく変わります。
※制度の詳細や個別の状況については、加入している健康保険組合または専門家にご相談ください。
筆者自身も2024年〜2025年にかけて傷病手当金を実際に受給した経験があります。申請の流れや給付までのリアルな体験談はこちらの記事で詳しくお伝えしています。
今より家計をラクにして豊かに生活するには「毎月の固定費を見直すこと」が一番の早道です。保険・住宅ローンなど簡単に見直しできるツールやヒントを以下の記事でご紹介していますので、参考にしてみて下さい。




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